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認定NPO法人カタリバ (認定特定非営利活動法人カタリバ)

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活動紹介 / Activity

DISCOVERPOSTTRAUMATIC GROWTH

被災地から、学びに「向かう」人を育む

女川向学館

Concept

*「コラボ・スクール女川向学館」は、2022年4月1日に現地新法人「一般社団法人まちとこ」に事業移管しました(詳細はこちら

宮城県女川町は、東日本大震災で大きな被害を受けた地域の一つです。日常の風景は奪われ、大きな悲しみを経験した子どもたち。「震災があったから夢を諦めた」ということが絶対に起こらないように。そんなコンセプトから、2011年7月に立ち上がったのが「女川向学館」です。名称には、町のシンボルである女川町の「港」の再興と、「向」学心育成への願いが込められています。地域を巻き込み、地元出身のスタッフとも協力しながら、全国から集まったスタッフが小学生から高校生までの学びを支えています。

活動概要

  • クライアント

  • 所在地

    宮城県牡鹿郡女川町女川2丁目61番地1 シーパルピア女川F-26-3

  • TEL

    0225-24-9964(平日14時-20時)

  • WEBサイト

  • 活動期間

    2011年7月〜

  • 対象

    女川町在住の小・中学生・高校生

  • 活動内容

    居場所運営/学習支援/体験プログラム/学校連携
    地域連携/行政連携

活動の背景

あの日、津波が町をさらった


東日本大震災による地震と津波が襲った、宮城県女川町。住居倒壊率は、被災地で最も高い82.6%にのぼり、行方不明者・死者も町民の約1割を数えます。現地調査のため初めて女川町に向かった一行が目にしたのは、仮設住宅の前の道路に寝そべりながら宿題に取り組む小学生の姿でした。居場所を失われた子どもたちのための「安全・安心の場」をつくろうと、2011年7月から活動を開始しました。

震災によって職場を失った先生方とともに安心して学べる場所をつくる


震災前、町内で塾講師などを運営していた先生方の多くが働く場所を失いました。女川向学館では、開校当時からそういった地元の方々をスタッフとして迎え入れ、町外から集まったスタッフと共に子どもたちが安心して学べる居場所を創り上げてきました。

「ナナメの関係」を通した子どもたちとの対話


震災後、女川町の子どもたちは様々な場面で我慢せざるを得ない状況にありました。狭い仮設住宅に自分の部屋はなく、壁が薄くて隣の部屋にも気を使う日々。思春期も相まって、様々な悩みを抱える子どもたちですが、経済的・精神的に疲弊している周囲の大人には話し出せないこともあります。そんな子どもたちの声を受け止めるべく、女川向学館ではスタッフとの対話の時間を大切にしてきました。親や先生、あるいは友人とも異なる「ナナメの関係」があったからこそ、本音を話せたという子どもも多くいました。

活動内容

学習支援と居場所づくり


女川向学館には幼児から高校生までが通ってきます。誰でも利用できる自習室はほぼ毎日開放しており、小中学生向けの基礎学力を身につける授業を実施するほか、中学生向けの英会話授業や特別授業、高校生向けの英数授業といったプログラムがあります。また、子どもたちが自由に過ごせるフリースペースも開設されており、本を読んだり、友人と話をしたり、思い思いの時間を過ごすことができます。小学1年生から高校3年生まで幅広い年齢層の子どもたちを受け入れ、町の5割以上の小中学生が利用しています。

学校を支える


女川向学館が支えるのは、放課後の学びのみではありません。時には小中学校の授業にサポートスタッフとして参加するほか、別室登校の子どもたちの学習支援など、学校内の子どもたちにも関わり、学校と地域を結ぶ役割も担っています。

マイプロジェクト


女川向学館に通う高校生が、地域や身の回りの課題を解決するためにプロジェクトを立ち上げ実行する「マイプロジェクト」に取り組んでいます。震災当時を振り返り、「あの時、助けてもらった分を今度は自分が返したい」。そんな想いから地域と向き合う高校生もいます。女川向学館では、スタッフがそんな高校生たちに伴走し、プロジェクトづくりやその実現を支えています。

地域と共に、地域へ届けるプログラム


小学生が町の祭りにスタッフとして参加する機会を作ったり、高校生向けにはアルバイト情報の掲示や合同企業説明会の実施サポートといった社会との接続支援を行ったりと、地域との協働を進めています。また、企業・団体の方々のご協力を得て中学生がテーマ探究授業を企画。女川駅前でのプロジェクションマッピングや、地元の食材を作った創作料理の開発など、1つのものごとに向き合うことを通して、新しい自分に出会い、自分の将来を主体的に考えてもらうきっかけを届けました。

活動の成果

子どもたちの前向きな変化

町の4割以上の小中学生が利用する女川向学館には、小学生66名、中学生62名、高校生23名が通っています(2018年4月現在)。「友だちの家みたい」と話す小学生がいるようにアットホームな雰囲気で、それぞれのペースや興味に合ったチャレンジを応援する場になっています。
中学1年生〜3年生を対象にしたアンケートでは、多数の子どもたちが向学館に通うことで自己肯定感が高まったと回答しています。また、向学館が「安心安全な居場所」になっていることを示す結果も出ています。

連携

行政・学校との連携

スタッフが小中学校に授業サポートスタッフとして入り、先生方と情報交換を行うなど、連携して子どもたちの学力向上を支えています。また、別室登校の子どもたちの学習支援も行っています。

保護者・企業・他団体との連携

保護者に対する利用説明会を行っているほか、高校受験を控えた中学3年生を応援するイベントなどへの参加をお願いしています。また地元を中心に、様々な企業の方々のご協力をいただき、子どもたちへのプログラムを届けています。他地域で活動する団体とキャリア学習支援のイベントを開催することもあります。

※「コラボスクール」・「collabo school」は 認定NPO法人カタリバの登録商標です(登録5758301)・(登録5758303)

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