活動の背景

中高生が放課後に安心して集まれる「新しい居場所」をつくりたい

都市部の中高生は進学などの理由から地元を離れてしまうと、放課後の居場所がなくなり、必ずしも安全とは言えない都心のファーストフード店や、カフェに集まるしかないのが実情です。中高生たちが安心して居られる場所を作りたい、そんな思いからb-labは始まりました。

東京都文京区から委託を受けて、文京区青少年プラザb-labがスタート

2014年3月に文京区が実施した運営団体の公募・審査選考の結果、運営がNPOカタリバに決定。b-lab開館までの約1年間、区と連携しながら利用者となる中高生をプロジェクトに巻き込み、ネーミング・ロゴ・空間デザインを考えるワークショップなどを何度も行いながら、施設の完成を待ちました。
2015年4月。カウンターに行列ができるほど中高生が来館し、b-labはオープンしました。

中高生の状況に応じて多様な利用ができるb-labの仕掛け

b-labは来館することで承認や安心を得られる場所です。それだけでなく、「もっと何かやってみたい」という中高生のやる気に火を灯し挑戦につなげる仕掛けを張り巡らせることで、「安心してなんにでも挑戦できる新しい放課後の居場所」をつくっています。

活動内容

居場所づくり

友だちとおしゃべりをしても、勉強をしても、何もしなくても、ただこの場にいて、安心して自分を表現できる居場所をつくっています。中高生との何気ない会話から状況を把握し、その時その子にとって必要な声掛けができる丁寧なコミュニーケーションを軸に、興味関心を引き出し、挑戦する機会に1歩踏み出す後押しをすることも大切にしています。

文化、スポーツ、学びなどの多様なイベント

b-labでは年間を通じて多様なイベントを開催しています。その数年間200回以上。音楽・料理・ダンス・スポーツ・文化など、中高生それぞれの関心に合わせたレッスン系のイベントは年間27種類。季節ごとに大規模な文化祭イベントも行い、ライブやダンス発表やプレゼン大会など中高生が自分を表現する場になっています。自習サポートや探究学習、キャリア学習のイベントなど、学習支援も行っています。

自主企画マイプロジェクト事業

自分自身の興味関心を見つけた中高生たちによるイベントの企画・運営など、 マイプロジェクト事業の取り組みをサポートしています。毎年「ライブをやりたい！」「路地裏MAPをつくりたい！」など、中高生主導で様々なプロジェクトが誕生。中高生が自主的に企画運営に挑戦することで、人と恊働しながら自分のやりたいことにリーダーシップを持って取り組む力を育むことに繋がっています。

b-labに誘い出す「出張授業」などの仕掛け

文京区内の中学校に対して出張授業「出張b-lab」を行い、キャリア教育を学校に届けながらb-labの存在を伝えることで、継続的に利用者が集うように取り組んでいます。
また中高生スタッフ広報チームによる施設内での広報や、専用Webサイト・SNSを活用した情報発信、年2回発行する中高生のためのフリーペーパー「Cha! Cha! Cha! 」の制作と配布も実施しています。
利用者が来るのを待つだけでなく、誘い出すための仕掛けを大切にしています。

活動の成果

広がる利用者の数

文京区に在住・在学・在勤の中高生のうち、これまでに約16,923人が、b-labに利用者登録をしました。学校への広報活動や、中高生どうしの口コミを通じて利用者が増えています。2022年度までの累計のべ来館者数は180,000人を超えました。2020年度、2021年度は新型コロナウィルス感染症の影響で来館者数が減ったものの、2022年度にはまた多くの中高生の姿が見られるようになりました。

2022年度の利用者満足度は93.9％

複雑で多感な思春期世代が日々たくさん来館するb-labですが、利用満足度は93.9％。高い満足度だからこそ、開館以降、登録数も来館者数も安定して高い状態を保っています。より多くの中高生がb-labに行きたいと思える新しい放課後の居場所であり続けるために、日々挑戦し続けています。

連携

地域との連携

専門的なスキルを持った地域の皆様方によるレッスンイベントの実施や、中高生の活躍を地域の方々に発信する
「b-lab AWARD」の開催など、地域と連携した施設運営を行っています。

教育センターとの連携

一部の時間帯において、教育センターの研修室を自習室として、軽運動室を卓球などで使用しています。また必要に応じてスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーとの連携を図っています。