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認定NPO法人カタリバ (認定特定非営利活動法人カタリバ)

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活動紹介 / Activity

RESILIENCE

困難を抱える子どもたちの、心の安全基地

アダチベース

Concept

自身ではどうすることもできない家庭環境などの課題を抱える子どもたち。そんな子どもたちが、泣いたり笑ったり、そのままの自分を受け入れ安心できる居場所をつくることで、心の安全基地を届けたい。そんなコンセプトでうまれた「アダチベース」は、居場所・学習・体験・食事を地域と連携しながら子どもたちに届け、文化資本や社会関係資本を育み、貧困の連鎖を断ち切ることに寄与することを目指しています。

活動概要

  • クライアント

  • 所在地

    アダチベースCentral/アダチベースNorth : 東京都⾜⽴区内
    ※秘匿性の⾼い施設のため、所在地は関係者にのみ共有しています

  • 活動期間

    アダチベースCentral: 2016年8月〜 / アダチベースNorth: 2018年4月〜

  • 対象

    足立区在住の中学生及び中学まで利用していた高校生、高校中退者・未進学者

  • 活動内容

    居場所運営 / 学習支援 / 体験プログラム / 食事提供 / 学校連携 /  地域連携(地域のNPO等との連携)

活動の背景

日本の子どもの9人に1人が貧困

令和4年の国民生活基礎調査(厚生労働省)によれば、日本における子どもの貧困率は11.5%に上ります。この数値は「子どもの9人に1人が貧困状態にある」ことを示しています。ひとり親世帯など、大人が一人の世帯の貧困状態はさらに深刻です。自分自身の力ではどうすることもできない環境の中、様々な生きづらさを抱えている子どもたちが、ここ日本にもたくさんいます。

子どもたちに心の安全基地を届けることで、意欲を育む

カタリバはこれまでの中高生との関わりの中で、自身ではどうすることもできない家庭環境などの問題を抱えている例を見聞きしてきました。そのような「貧困の連鎖」を断ち切るために必要なものとして、「文化資本」「社会関係資本」「経済資本」の3つが考えられます。そのうち「経済資本」のサポートは難しいけれど、「文化資本」「社会関係資本」のふたつは子どもたちに居場所をつくり、心の安全基地を届けることで育んでいけるのではないか。そう考え、新たな事業に取り組むことを決めました。

子どもの貧困対策に力を入れている足立区から事業を受託

「全ての子どもたちが生まれ育った環境に左右されることなく、自分の将来に希望を持てる地域社会の実現を目指します」。足立区は平成27年度を「子どもの貧困対策元年」と位置づけ、貧困対策を開始しました。そんな足立区と、子どもの貧困対策事業を考えていたカタリバが出会い、事業を受託することに。2016年8月、困難な環境で育つ子どもたちがそのままの自分を受け入れ安心できる居場所として、「アダチベース」が誕生しました。

活動内容

●居場所づくり


ナナメの関係と対話をベースとしたコミュニケーションで感じる人とのつながり、気持ちのよい空間設計によって、子どもたちの「居ていいんだ」「ここに来ると安心する」という心の基盤となる安全基地をつくっています。時にはソファスペースをカフェに見立てたり、ダンスやスポーツなどをテーマにしたサークル活動を行うなど、ここでできる「新しいコミュニティ」づくりの仕掛けも行っています。

●学習支援


子どもたちの「分からない・できない」を受け入れ安心して学べる環境をつくり、「分かった・できた」という小さな成功体験を積み重ねる、「自習室運営」とICTを活用した「少人数の学習クラス運営」を行っています。子どもたちの状態は全スタッフで共有し、自習と学習クラスで継ぎ目のなく連携をとり、学習習慣の定着につなげています。また受験生には進路選択の特別授業や進路相談、模試受験、面接対策なども実施し、子どもたちの学習を総合的にサポートしています。

●体験プログラム・イベント実施


地域の人たち・他団体・支援企業などを巻き込みながら、ものづくり・スポーツ・音楽・家庭菜園など、多様な体験機会を届けるための企画を実施しています。また花火大会、クリスマスパーティ、高校生になる子どもたちには卒業パーティを行うなど、季節ごとのイベントも開催。体験プログラムとイベントを合わせて年間130回以上の様々な機会をつくっています。

●地域の方々とともに届ける食事提供


心身ともに健やかな成長を目指し、平日は毎晩、長期休暇中は昼夜2食の食事提供を行っています。調理は子どもたちも一緒になって近隣の方々と恊働で行い、一緒に食卓も囲むことで、「一緒につくる、一緒に食べる、一緒に片付ける」という体験を通じた安心感や、承認機会をつくっています。子どもたちの中には「鍋って本当にみんなっで囲んで食べるんだ!」と嬉しそうに驚く子も。ただ食べる以上の機会となっています。

活動の成果

子どもたちの前向きな変化

塾に行けずに成績が伸び悩んでいたタイミングでアダチベースに通い始め、学年1番の成績を取った子。人とコミュニーケーションをとることが難しく学校に行けなくなっていたけれど、アダチベースで友だちができたことをきっかけに話せるようになり、学校にもまた通えるようになった子。一言も話せなかったけれど、アダチベースでは子どもたちともスタッフとも楽しくおしゃべりができるようになった子。2016年に活動を開始してから、たくさんの子どもたちに前向きな変化がありました。 アダチベースで行っているアンケート結果を見ても、自己肯定感や学習観、社会的スキルにポジティブな変化が見られました。これからも子どもたち1人ひとりの歩みに合わせた、半歩前向きになるサポートをしていきたいと考えています。

アダチベースに半年間通った子どもたちの自己肯定感・自尊感情の変化

アダチベースに半年間通った子どもたちの学習観の変化

アダチベースに半年間通った子どもたちの社会的スキルの変化

連携

●行政・学校との連携

足立区福祉部くらしとしごとの相談センターとは定例会議を実施し、子どもたちの利用状況や様子などを随時報告しています。その他スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーとも定例連絡会議も実施し連携しています。 学校とは、管理職・養護教諭への事業説明やケース会議などを行うことで、連携を深めています。場合によっては学校・スクールソーシャルワーカー・福祉課・保健局・くらしとしごとの相談センターなど、セクターを超えた個別ケース会議を開き、状況に応じた支援を行っています。

早稲田大学健康福祉科学学科教授・臨床心理士鈴木伸一氏とのケース会議の様子

●保護者との連携

保護者に対するアダチベースの利用登録説明会、年数回の保護者会、三者面談などを行っています。

●専門家との連携

日々の子どもたちとの関わりについては臨床心理士によるスタッフ研修や定例のケース会議、緊急時にはオンラインや電話で相談できる体制を組んでいます。 また学習支援においては、東京大学大学院教育研究科市川伸一研究室と連携し、学習支援に特化したケース会議を行ったり、職員が東京大学大学院教育研究科学術支援職員に所属し、困難を抱えた子どもたちの学習支援の専門性も磨いています。

Photo Gallery

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